2021年2月に長女が都立中学受験を経験しました。結果希望していた中学校には合格することは出来ませんでしたが、約3年間の受験戦争を終えた現時点で”中学受験”を親の立場としての振り返りをまとめて見ました。
これから都立中学校受験を検討中の親御さんの参考になれば幸いです。
受験を始めるに当たって、親の最初の難関は、「受験自体を理解していない子供に対して ”受験の動機づけ” をする事」となります。うちの子は典型的な “周囲に流される子” だった事も相まって、仲良しお友達も受験野状況と”インセンティブ(犬を飼う)”に釣られる形で塾通いをはじめました。
当時の状況
小学校3年生の02月から受験活動が始まり。4年生からは”塾に通う日の夕飯は塾でお弁当”の生活が始まりました。
本人は、学校の友達と遅くまで一緒に居られる事が楽しかったのか、さほど塾への抵抗感もなく楽しく通っていたと思います。
徐々に塾に通う曜日が増え、5年生の後半からは日曜日以外は21時まで塾通いの毎日が続いていました。本当によく勉強していたなと、我が娘ながら関心します。
受験が近づくに連れ、親が勉強を見られる時間は徐々に少なくなり習熟状況は ”定期テスト” の点数の浮き沈みと、年に数回ある塾講師との面談程度になってしまいます。
苦手な所は自分でも分かっている!
徐々に受験勉強が進みは始めた5年生中盤頃、と「算数」の ”伸び悩み” が顕著になってきました。
入塾しはじめから苦手科目だった算数は、講師・当人を含めた話し合いで事前に対策を講じていたはずだったのですが、実際の模試では期待した以上に点は伸びず、本人もかなり苦しい状況だったかと思います。
結果的に算数に対して自己学習を避ける傾向が強くでてきてしまい苦手意識を強く持ってしまいました。
徐々に親がサポートする時間が少なくなってくる上、模試の点数でコメントされる本人からしたら、「苦手は自分でも分かっている」っといったところだったと思います。 もっと別の形でアプローチができなかったと、今振り返れば後悔してしまいます。
単純な記憶問題ではない”都立中学受験”
都立中学受験では、細かな知識を学術的に深堀りする様な「記憶」の受験ではなく、複数の教科に分けられた知識を実用的に利用する為に、どの程度「本質」や「仕組み」を理解できているか?が問われる問題が出題されます。
知識の総合力が試される
塾からは親御さん向けの受験対策の講義も開催されており何回か出席はしていました。その時に何度も言われていた「知識の総合力」を改めて実感する事がありました。
ある時、自宅で過去問題を勉強している娘の過去問題集を見せてもらい、試しに社会の問題を1問出題してみました。日本と外国5カ国の対日本 輸入出額の一覧表から見る 各国との貿易の特徴が問われている問題。
問われた娘の回答は… ”あやふや” で ”とんちんかん” な回答でした。
子供が答えられなかった「貿易」の問題は、日本の経済的な背景、対貿易国の経済的な背景を小学校の授業で習う社会科のレベルで理解し、加えて小学校の普通の算数の授業で習う「割合」を組み合わせた問題でした。
自信なさげに苦笑いで答える娘を笑いながら「この問題を理解している?」というと、またもや自信なさげな回答。怪しい!と思い正解を答えられていた他の問題にも同様に問題の本質を問うと、同じ様に曖昧な答え…
どうやら、娘は問題集の出題傾向とその答え方を記憶してしまい、問題の本質を理解できていないことが分かり、愕然としました。
6年生までに学校の授業で習う部分が終わると、本格的な受験に向けた勉強が始まります。ここまでで授業で習った内容の本質が理解・定着できていないと、顕著に模試の点数が変わってきます。
記憶するのではなく理解する
正直、受験の進化を目の当たりにした感覚でした。この様な本質的な思考を求める ”現代の教育の凄さ” をまさに実感すると同時に、自分自身の中学受験に対する認識の ”甘さ” (大変さは分かっていたものの、どこか自分ごとにできていなかった)を痛感した瞬間でした。
自分たち ”昭和世代” 受験は、記憶 がメインだったと思います。だからこそ、一般社会の実力世界では ”学歴” はあまり意味をなさず、どちらかというと ”地頭” 的な部分に羨望を向けていたように思います。
今回の中学校受験は、その概念が脆くも崩れ去った瞬間を経験したように思います。
理解せずに記憶してしまった結果、設問の意味が正しく捉えられず、点数の”伸び悩み”に陥ってしまいました。
まとめ:これから受験を考える親御さんに向けて
今回の受験を振り返って、自分なりに感じたところは以下の通りです。
- 塾が本格化してくると、親がサポートできる範囲は徐々に少なくなってくる。
- 苦手な分野は子ども自身が一番感じている。
その中で親としてどういったサポートをしてあげられるか? - 都立中学受験では、「知識の本質への理解」が求められる。
記憶の定着だけでは太刀打ちできなくなってきている。
中学校受験の傾向は、今後どんどん増えて行く傾向にあります。今回の中学校受験を通じて、今の勉強の進化を目の当たりにしたと共に、教育が ”知識の貯蔵” から “本質的な思考” に大きく転換してきています。
”本質的な思考” は、今後の社会での実践の場では どの様な分野であれ、絶対に必要な能力だと思います。今回、娘は残念な結果になりましたが、この思考に少なからず触れられた経験は本人にとっても大きな財産になってくれると思います。(と信じています。。。)
受験勉強は、子供本人だけでなく親御さんにも時間的・金銭的に大きな負担が強いられますが、受験を通じて最新の教育にも触れることができます。
もし、お子さんが少しでも受験に前向きな姿勢が見られるのであれば、ぜひTryしてみてはいかがでしょうか?