書籍紹介:『それ、解決すべきことですか?』と問われたら、99%は沈黙する 

最近、大学院の課題・レポートに追われる日々な毎日の中で、学校の同級生からオススメされた書籍が目からウロコだったので、紹介します。

書店にありふれた単純な”自己啓発本”って訳ではなく、人の生産力や思考法をスッキリとさせるアプローチを細かく説明されていて、非常に楽しく読破できる本だと思います。

是非、興味があれば読んでみてください。


はじめに:何を考えるか、より前に「それって考える価値あるの?」

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

「考えてるんですけど、答えが出なくて…」
「ずっと悩んでて、どう進めたらいいかわからなくて…」

そんな風に頭を抱えたこと、ありませんか?

私自身、大学院での課題や研究テーマに向き合う中で、「ずっと考えてるのに進まない」という感覚を何度も経験してきました。

でも、それって本当に「考えていた」のか?
――そんな根本的な問いを投げかけてくれたのが、安宅和人さんの『イシューからはじめよ』でした。

読後に残ったのは、次のような強烈な自問でした。

「あなたは、本当に“考える”という行為をしていたのか?」

これまで“努力”や“学び”と信じていたものの多くが、ただの自己満足で非生産的な活動だったのでは…と気づかされ、目が覚めるような一冊でした。


「悩むこと」と「考えること」はまったく別物だった

本書の中で、最も印象的だったのはこの一節。

「悩むこと」と「考えること」は違う。

悩んでいる状態って、要は「解けない問題」に対して、堂々巡りしているだけ。
しかもその問題は、たいてい「今、自分が本当に解くべき問い(イシュー)」ではなかったりするんです。

✔ イシューとは?

本質的で、かつ、答えが出ると前に進める問い。

この定義を見た瞬間、私の思考パターンがいかに曖昧で非効率だったか、痛感しました。

ただ悩んでいるだけの時間は、生産的な思考ではない。

今まで「悩んでいる=深く考えている」と思っていた自分を、そっと脳内で反省しました。


イシューは分解できる:「Sub-Issue」の技術

Dmitry AbramovによるPixabayからの画像

本書で得たもう一つの大きな学びが、「問いを分解する力」です。

大きな問いに立ち向かうのではなく、Sub-Issue(副次的な問い)に分解していく。
それによって、思考の霧がどんどん晴れていく感覚がありました。

✔ たとえば研究の場合…

私の研究でも「〇〇の地域定着をどう促すか?」という問いに対して、

  • そもそも定着とはどういう状態か?
  • なぜ離れていくのか?
  • 定着の要因にはどんな変数があるか?

といった小さな問いに分けていくことで、アプローチが具体化し、一歩踏み出すことができました。


「考えても無駄な問題」は、捨てていい

この本で個人的に最もハッとした部分が、こちらの視点です。

考えても答えが出ない問題は、諦めろ。

正直、目からウロコでした。
「難しい問題にこそ、立ち向かうべき」と思っていた私にとって、この言葉は衝撃でした。

けれど、振り返れば「そもそも定義が曖昧」「判断材料が揃っていない」ような問題に、時間を吸い取られていたことってよくあるんですよね。

思考のリソースは有限。
解ける、かつ、解く価値のある問題に集中すべき。

その潔さに、感銘を受けました。
「考える」という行為にも、選択と戦略がいるのだと改めて気づかされました。


まとめ:「生産的に考える」とはどういうことか

『イシューからはじめよ』は、思考の技術書というより、知的スタンスの指南書でした。

  • 自分の思考を「イシュー」からはじめる。
  • 問題を分解して、解ける問いに絞る。
  • 解けない問いは、勇気を持って切り捨てる。

こうしたシンプルで強い姿勢は、学習や研究、そして仕事のどの場面でも活きてきます。

「それ、本当に解くべきことですか?」

この問いを、自分にも、周囲にも投げかけ続けること。
それこそが、生産的な活動の第一歩なんだと思います。


📝この記事のまとめポイント

  • 悩むこと ≠ 考えること
  • イシューは「本質的かつ答えが出ると前に進む問い」
  • 思考は「問いを立てる」ところから始まる
  • Sub-Issueへの分解で、思考の霧が晴れる
  • 解けない問題は捨ててOK。思考のコスパを大事に

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