転職リベンジ – PMP編(第7版) – その2 調達プロセス ツール “ADR”について解説!

UnsplashSandra Dempseyが撮影した写真

前回の投稿から引き続き、自分の勉強・備忘録も兼ねて、PMPの試験に出る内容を記載していきます。今回は”ADR”についての記載です。

ADRについて学ぼう

ADRとは??
”Alternative Dispute Resolution” の略で、「代替え紛争解決」の意味。
プロジェクト管理で紛争を解決するための方法論やプロセスを指す。
ADRは、通常裁判所の訴訟手続きを避け、紛争の解決を効率的かつコスト効果的に行うための手段として採用される。

「調達のコントロール」のプロセスでの話。
要は、プロジェクトで契約している外部ベンダー何かと契約内容に反した行為(Ex:期待する納品物を期日までに納品されないとか)が発生した場合にとり得る手段の一つ。

契約違反なのだから、「直ぐにでも裁判に!」

とはならず、まずは契約反故になっている問題の解決に向けた話し合いを行うのが初手になるのは当然。その前提で話し合いでもどうにもならない場合に、「代替え紛争解決」ADRを発動するって話です。

ちなみにADRにはこんな手法がある。

  1. 仲裁(Arbitration)
    独立した第三者の仲裁人が紛争を審理し、最終的な判決を下すプロセス。
    仲裁は通常、契約に基づいて行われ、裁判所の訴訟手続よりも迅速に結論が出ることが多く、PJ管理で一般的に採用される手段
  2. 調停(Mediation)
    紛争の当事者感で協力的な解決を促進するプロセス。
    調停人は当事者を支援し、合意に達するのを助ける役割を果たすが、最終的な判決は下さない。
    調停自体は、コミュニケーションと協力の促進を主目的とする。
  3. 協議(Negotiation)
    当事者間の交渉に基づいて、紛争を解決するプロセス。
    当事者は問題を協力的に解決しようと努力が求められる。
    PJ管理において、契約の条件やスコープ管理などの問題を解決する目的で使用される。

ざっと各種法を書き出してみましたが…
再三話し合ったり両者間で契約内容を確認しあった上で、それでも解決出来ない場合にADRが発動するわけで、第三者の仲裁が入らない「調停」「協議」は本当に目的を達するのか?というのは素朴な疑問

調達プロセス

Robert Owen-WahlによるPixabayからの画像

ADRの切り口から入ったので話が前後しまうが、
そもそも”PMBOK”で定義されている”調達プロセス”の全体像はこんな感じ!

  1. 調達マネジメントの計画
    • 内外製の決定:
      • 外部のベンダーを使うのか?内製しちゃうのか?を決めるってこと。
    • SOWの作成:
      • 作業範囲記述書で依頼内容やプロセス、納品物なんかを定義しておく。
    • 契約形式の決定:
      • 委任契約?準委任契約?派遣契約?とか実務形態じゃなくて契約形態
        要は支払う対価をどうやって試算するか?を決める。
        • 定額契約(FP:Fixed Price) ※Financial Plannerではない。
        • 実費償還契約(CR:Cost Reimbursable) ※パチンコではない
        • タイム & マテリアル(T&M:Time and Material)要は準委任契約みたいな感じ。
    • 評価基準準備:
      • ベンダーを選定する際に、どんな点を評価するのか?予め決めておくこと。
    • RFIの発行:
      • 情報提供依頼書を発行して、選定に必要となる情報をベンダーから提供してもらう。
    • RFPの発行:
      • 提案依頼書の発行。RFIを発行してもらって得られたベンダーからの情報に基づいて依頼先をスクリーニング
      • 絞り込んだベンダーに対して、更にRFPを発行して具体的な提案をしてもらえるようにする。このときに、事前に作成しておいたSOW(作業範囲記述書)をあわせて渡しておく。
      • 更に頼内容の理解度を深めてより良い提案内容もらう為に、ベンダーを集めた”説明会” なんかも実施する。
  2. 調達の実行
    • 入札の説明会:RFP・SOWの内容を選定中のベンダーに公平に説明
    • 提案書の受領:選定中のベンダーから、「こんな感じっすかね~」的な提案(金額・納期などなど)
    • 提案書の評価:計画時点で決めておいた評価基準に沿って、提案内容を評価
    • ベンダーの決定:評価結果を受けて最終判断
  3. 調達のコントロール:実際にPJが稼働している最中に実施し続けるプロセス
    • 契約管理:契約している内容が遵守されてる?
    • 納期管理:見積もりされた内容で、日程通りに納品できてる?
    • 品質管理:ちゃんと動く?
    • 変更管理:要求の変更だけじゃなく、ベンダーから挙げられた変更内容なども管理
    • 契約終結:当初にお願いしたことが、全て完了したら「おしまい!」ってはなし。
    • 調達監査:契約から終結までの一連の流れを振り返って、次回に活かしましょう!ってはなし。

PMBOK自体、アメリカの調達慣行・慣例に基づいて作成されているので、この辺りは国内だとかなり割愛している部分もあるかもって参考書には書いてあったけど、自分の会社は割と真面目にPMBOKの慣例に従っているかも。(ISOとかの関連もあるからかな?)

例題:実際の模試で出る内容

問題:
調達を終結する際、契約ベンダーから契約に定義されている一部の成果物が納品されない。再三交渉を行ってきたが解決の糸口は見えず、社内のベンダー契約担当部署からも「裁判への提訴を検討するべき」との意見が上がっている。この時PMとしてあなたが取る行動は何か?

  1. 公正な解決よりも、製品自体の完成を最優先させる。
  2. ADRでの解決を模索する。
  3. 見なかったことにして、このまま終結させる。
  4. 担当部署の言う通り、訴訟手続きに入る。

再三の交渉も実らない状況であれば、「ADR」を使って、第三者の仲介人を入れて迅速に結論を出してしまいましょう!ってことになるので、正解は「2.ADRでの解決を模索する」になる。

最後に

調達プロセス自体が複雑だってこともあるけど、そもそも”ADR”に関する問題って、ほんとにニッチな部類だから、この解説がどこまで意味があるのか?甚だ疑問はあるけど。

ま、どなたかの参考になれば幸いです。

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