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第6回になる今回は、ステークホルダー・マネジメント、ステークホルダー・エンゲージメントについて解説する。
ステークホルダー・マネジメントとは?
ステークホルダー・マネジメント(Stakeholder Management)とは、プロジェクトの作業に対して影響を与える可能性のある人物・グループ・組織を特定し、その関係を効果的に理解・調整・管理するプロセスを指す。
ステークホルダーになり得る人物・組織は、そのプロジェクトによって大きく異なるが、よくあるパターンだと以下の様な自分つ・グループが該当する。
- 顧客
- 従業員
- 投資家
- 政府関係者・機関
- サプライヤー
- 地域コミュニティ
ステークホルダー・マネジメントの主な目的
ステークホルダー・マネジメントの主な目的は次の通り
- ステークホルダーが持つNeedsと期待値の理解
- ステークホルダー毎に異なるNeedsや要求・期待値を把握し、プロジェクトの運営にその要素を考慮すること。
- ステークホルダーとのコミュニケーション
- ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを確立して、情報の共有やFeedbackを受ける。
これにより、ステークホルダーと適切な信頼関係を築き、期待を達成する為に必要な協力・情報を提供してもらう。
- ステークホルダーとの適切なコミュニケーションを確立して、情報の共有やFeedbackを受ける。
- ステークホルダーの関心の調整
- 異なるステークホルダーの関心事や要求が競合する場合、調整する方法を模索しバランスを調整する。
- ステークホルダーの影響力の評価
- 組織やプロジェクトに対する大きな影響力を持つステークホルダーを特定し適切に対応する。
- ステークホルダーへの価値提供
- 組織やプロジェクトがステークホルダーにとって、価値を提供する方法を見つけ、実行する
ステークホルダー・マネジメントのプロセス
ステークホルダ・マネジメントとしてPMBOKに定義されるプロセスは以下の通り
Step1:ステークホルダの特定
Step2:ステークホルダ・エンゲージメントの計画
Step3:ステークホルダ・エンゲージメントのマネジメント
Step4:ステークホルダ・エンゲージメントの監視
ステークホルダー・エンゲージメントって?
「エンゲージメント」という用語自体、ピッタリ合う「和訳」が無いらしい。活動内容によって「積極的な関わり合い」というニュアンスで「関与」が当てられている。何れにせよ、意味合いとしては「ステークホルダーがプロジェクトに関わる状態」を示している。
具体的な活動内容はこんな感じ。
特定 → 理解 → 分析 → 優先順位付け → エンゲージ → 監視 → (特定に戻る)
ステークホルダーマネジメントでは、上記のプロセスを回して、プロジェクトに影響するステークホルダーをコントロールしていく。
ステークホルダー 関与度の分類
ステークホルダーの関与度と、プロジェクトを運営するのに必要な関与度との比較を行うに当たり、ステークホルダの関与度を以下のステータスに分類する。
- 不認識
- プロジェクトも潜在的影響も認識していない状態
- 抵抗
- プロジェクトと潜在的な影響を認識しているが、作業の結果やプロジェクトの成果に対して抵抗する
- 中立
- プロジェクトを認識はしているが、支持も不支持もしていない
- 指示
- プロジェクトと潜在的影響を認識して、その作業と結果を支持している。
- 指導
- プロジェクトと潜在的影響を認識して、プロジェクトの達成を確実にすることに積極的に取り組む状態
各ステークホルダーの現状を分析し、関与度・影響度の高いステークホルダーを「支持」のステータスに意向するような、アプローチを実施し、また「支持」のステータスから外れないように監視・管理していくことが、ステークホルダーマネジメントになる。
例題
ステークホルダーの関与度の分類として、適切では無い物を選択せよ
1. 不認識
2. 抵抗
3. 参加
4. 指導
正解は、「3.参加」となる。
「ステークホルダー関与度評価」で5段階で表される「関与度の分類」を正しく把握しているか?を問う問題。
そもそも「参加」自体は、関与度の分類には含まれないため、誤りとなる。