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今回は、「変更管理」と「構成管理」について解説する。
「変更管理」と「構成管理」の概要

変更管理と構成管理は、一見して同じ様に見えるが、その目的の違いに由来するところ。
変更管理の主な目的は、プロジェクトにおける変更要求を効果的に管理して、変更がプロジェクトに与える影響を評価し、適切に実施すること。
変更管理は「新しい要件」「バグ修正」「改善提案」などの変更要求を受けれ、承認、優先順位付け、計画、実施、テストを実施する一連のプロセスを指す。
構成管理の主な目的は、プロジェクト内の製品やシステムの構成要素を識別し、管理・文書化することで、変更を追跡できる状態にすること。
構成管理は、成果物の一貫性と品質を確保するために使用される。プロジェクト内のアイテムやコンポーネントがどの様に組み合わさり、バージョンを管理することが主な目的となる。
上記の通り、「変更管理」と「構成管理」では、その目的が異なる。
変更管理では、プロジェクト内における変更内容の管理を主目的とする一方で、構成管理ではプロジェクト終了後、製品自体の構成を継続的に管理し続ける意味合いが強い。(ソフトウェア開発経験がある人であれば、なんとなく実感できると思う)
各管理の構成要素
変更管理と構成管理の構成要素を列挙する。
また、2つの管理には共通項目のあるため 重複項目については別項目として記載する。
- 変更管理の構成要素
- スケジュール
- 計画書
- 課題ログ
- リスク査定
- 状況報告書
- スコープ関係
- 構成管理の構成要素
- 保守記録
- ソフトウェアコード
- 技術文書
- 調達記録
- 図表
- 重複する構成要素
- 構成管理 計画
- マスター機器リスト
- 予備パーツリスト
- 調達管理
- 修正記録
- 会計記録
上記の内容を見ても分かる通り、変更管理はプロジェクトの実行中に発生する変更内容を対象とした管理、構成管理は、製品リリース後に発生する成果物の構成を管理する。
構成要素から管理の対象・目的がより分かり易くなると思う。
例題
例題
プロジェクト憲章にサインしている3人のステークホルダーがいる。
スポンサーからは、常日頃プロジェクトに対する注文が出ており、勝手にチームに指示を出してしまうケースも発生していた。この状況下でPMとして気を付けておくべき事柄は何か?
1) コンフィグレーション・マネジメント(構成管理)
2) 変更管理
3)スポンサーが平等に扱われているか?エンゲージメントに気を付ける
4)スポンサーが報告書を理解しているか?確認する。
正解は、1)となる。 ※ 設問内容が微妙なので、納得しない部分もあるが・・・
最大の問題は、変更管理の手続きなしに勝手にチームに指示を出し、目標としている成果物の内容を歪めてしまうこと。なので、有効な手段としては、構成管理(コンフィグレーション・マネジメント)が正しく機能している事を強化することとなる。
まとめ
今回は、PMBOK内の記載でも、かなり識別が難しく 混同しがちな「変更管理」と「構成管理(コンフィグレーション・マネジメント)」について記載してみた。
プロジェクトの目標値を、何も手続きなしに実施してしまうとプロジェクトの崩壊に繋がってしまうリスクがあるので、予め変更に関しては、ルール・プロセスを設定しておき、徹底しておくべき事が重要。
特に、プロジェクトの運営・運用に対して理解が低い現場では、その場で権限が強いステークホルダーが強く意見し、プロジェクトの運営を歪めてしまう事が起こりがち。ステークホルダー自身の自分の成功体験を押し付けてくるなど…
予めルールを周知・展開しておいて予防線を張っておき、構成管理が崩れる様な事象を検知した場合には、多少強引にでもプロセスに照らし合わせ、変更内容の妥当性やプロジェクトに与える影響を評価した上で、プロジェクトに反映させる事で、プロジェクトの失敗率を下げる事ができる。
おしまい。