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第三回は「品質マネジメント」におけるツールと技法について、解説していきます。
品質のマネジメントの全体像
PMBOKの品質マネジメントとして定義される内容は、基本的にはISO9000番代で定義されている「品質マネジメントシステムに関する記載」を踏襲されている。なので、この内容が抑えられていればOKなのだが… そもそも、ISO-9000とか言われても、会社内でも「ISO監査対策」を業務として取り扱わない限り、ほぼお目にかからない内容。なので、PMBOKの内容を一通り抑えておいた方が良い。
品質マネジメントの全体構成は、以下の感じ
- 品質の計画
- 品質の定義と尺度:
- 何を見て品質を監視・管理していくか?を計画段階で決めておけ!って話
- 品質コスト(CoQ:Cost of Quality):
- 品質確保に掛けるコストと期待する収益とのバランスを考えるって話
※ 現実世界だと、この定義と合意でQA部隊と大抵揉める
- 品質確保に掛けるコストと期待する収益とのバランスを考えるって話
- 品質の定義と尺度:
- プロセスの品質保証
- 改善活動(PDCA):
- ちゃんと持続的な改善活動が行える仕組みになっているか?ってのを定義しないと、品質なんて守れないでしょ?って話。
- 品質監査:
- 第三者が監査役になって、そのプロジェクトの品質プロセスが回ってることを監視するって話。なので監査のプロセスとして具体的に定義されているのは、以下を見つけて大騒ぎしてね!ってこと。(良い事例は「周囲のPJまで波及させろ!」って意味で)
- ベストプラクティスの特定
- 不適合・ギャップ・不備の特定
- 第三者が監査役になって、そのプロジェクトの品質プロセスが回ってることを監視するって話。なので監査のプロセスとして具体的に定義されているのは、以下を見つけて大騒ぎしてね!ってこと。(良い事例は「周囲のPJまで波及させろ!」って意味で)
- 改善活動(PDCA):
- 成果物の品質管理
- 品質検査:
- 普通に試験をやって、結果を数値化して品質を測定する所まで
- 完了(Done):
- 試験の完了。そのままだね。アジャイル・XP(エクストリーム・プログラミング)なPJが増えてきているから完了基準も、まちまちになるので注意
- 振り返りと改善施策:
- ちゃんと品質観点でポストモーテムを開催して、教訓を収集して次に繋げろって話ですな。
- 品質検査:
品質マネジメントにおけるツールと技法
パレート図
「棒グラフ」と「線グラフ」を組み合わせた複合図で「QC7つ道具」として定義されている「QC活動」でよく見かける図。
使い方としては、左縦軸に”障害の発生頻度” 右縦軸に”障害の全体件数”や”総コスト”などを定義、横軸に”障害項目種別”を定義して、障害の発生傾向と分布を一つのグラフで表現して可視化・測定に使ったりします。
統計的サンプルング
「母集団の数」やそこに含まれる「障害の推定数」などから「サンプル数」を統計的に算出して、監査結果に対する結論を確率的に導く手法。
サンプリングの詳細まで突き詰めていくと、サンプリングの手法だったり、「ばらつき」「かたより」とか統計的な話になってきてしまうので割愛。
パフォーマンス・レビュー
純粋に、品質の計画化で決めた品質尺度や基準と、実際の試験で測定された内容を比較し分析する行為。
例題
- ステークホルダーより、品質マネジメントとして、担当PJに対して適するツール・技法の提案を求められた。この際、品質マネジメントに対する技法・ツールとして適さない物は次のうちどれか?
- パレート図
- 統計的サンプリング図
- フォーカス・グループ
- パフォーマンス・レビュー
正解は「3. フォーカス・グループ」。
「3.」以外の回答は、上記の通りすべて品質マネジメントの過程で利用される技法・ツールとなる。