転職リベンジ – PMP編(第7版) – その9 コンフリクト・マネジメントついて解説!

今回は、プロジェクトの運営、だけでなく”仕事”で必ず発生する「対立:コンフリクト」に対して、PM的アプローチである「コンフリクト・マネジメント」について解説。

PMP資格取得に限らず、仕事での”対立”で思い悩む方に対しても、参考になれば幸いです!

コンフリクト・マネジメントのポイント

TumisuによるPixabayからの画像

プロジェクトを運営する上で、よく発生するコンフリクトのパターンとしては、以下の様なところかな…

  • 資源不足
  • スケジュールの優先順位
  • 個人の作業スタイルの違い

プロジェクトを推進するに当たり実施する「コンフリクト・マネジメント」に関する重要ポイントは以下の通り。

コンフリクトの理解

まずは、コンフリクトの種類と原因を理解する必要がある。コンフリクトは、個人間・部門間・ステークホルダー間などなど、様々なシーンで発生するので、発生した各コンフリクトにつてい、正しくその内容・当事者の関係性などを把握しておく必要がある。

早期の対応

コンフリクトは早期に対処することが重要。問題が放置されると更に状況が悪化し、プロジェクトの運営自体に深刻な影響を及ぼす可能性があることを肝に銘じておく。
プロジェクトマネージャーは、コンフリクトが発生する兆候を”なるはや”捉え、コンフリクトが発生しない様に事前に対策を講じておく、また発生した際には適切な対策を早急に講じる必要がある。

コミュニケーションの重要性

コンフリクトを解決するためには、効果的なコミュニケーションが不可欠。関係者とのオープンで率直な対話を奨励し、問題の根本原因を明らかにする。

利害関係者の関与

コンフリクトが発生した場合、関与する利害関係者を正確に特定し当事者を「コンフリクト解決プロセス」に参加させることが重要。当事者の視点や要望を考慮に入れることで、より最適な解決策を見つけることができるかも。

解決策の探索

コンフリクト解決にはさまざまな方法がある。妥協、調停、交渉、問題解決手法などを活用して、コンフリクトを解消し、全体の目標に向かって前進するための解決策を見つける

文書化とモニタリング

コンフリクトの解決策やアクションアイテムを文書化し、プロジェクトチームや関連ステークホルダーと共有。
さらに、解決策の実施状況をモニタリングし、必要に応じて調整していく必要がある。

学習と改善

コンフリクトから得られる教訓を活用し、将来のプロジェクトで同様の問題を予防するための改善策を検討する。

コンフリクトへの対象法6つ

コンフリクトに対しての具体的な対象法をPMBOKに記載されている6つを解説

対峙/問題解決

採用する場面:
コンフリクトとして、解決するべき問題として取り扱う対象に対しての行動。対立する当事者間の関係性が重要であると、また各当事者が相手の問題解決能力を信頼している時に選択する。

  • 対峙/問題解決のアプローチ:
    • 問題の明確化
    • 一対一での対話させ、率直なコミュニケーションでの意見交換
    • 共通の目標を設定
    • 目標に向けた解決策の探索
    • 具体的なアクションの取り決め
    • アクション後のフォローと評価

なんて簡単に書いていますが、実際の現場では簡単に話し合いで共通的な目標を持たせられれば苦労はしない。前提として当事者同士が ”大人” な精神をお持ちで、互いに問題を平和的に解決しよう!というモチベーションが必須。

というか… そもそも、そんな人達同士が対立するのは、もっと別のところに問題を抱えている様な気がするけどね。

協力

発生しているコンフリクトに対して、複数の見解・意見を取り入れて解決する方法。参加者間に信頼があり、合意までに時間的余裕がある場合に採用する手法。

  • 協力のアプローチ:
    • 共通の目標の設定
    • チームの協力意識の情勢
    • 共感と理解
    • グループでのディスカッション
    • 問題解決プロセスの実行
    • 妥協と交渉
    • アクション後のフォローと評価

PMBOKの第6版までは、「問題解決」と同じ枠組みで定義されていた「協力」 第7版では別立てで定義されている点を注意。基本な違いとしては記載の通り、グループでコンフリクトに対して協力しながら話し合いをベースに解決導くというスタイル。

これも現場からすると、当事者が多くなればなるほど問題が複雑化して、一旦決着したとしても、その後に尾を引いたりするのでめちゃくちゃ厄介な経験。(結果、最後まで根本的に解決できた記憶は少ない)

妥協

「Give & Take」を厭わない気持ちが不可欠な状況で、当事者が同等の「立場・力」の場合に採用するアプローチ。対立する当事者がお互いの要求や立場を調整し、中間的な解決策を模索する。

すべての当事者が完全に満足する訳では無いが、双方が受け入れ可能な妥協点を見つけることでコンフリクトを解決する。

  • 妥協の特徴
    • 中間的な解決策の作用
    • 双方に利益がある妥協点であること
    • 他の手法に比べて、スピード解決が望める(全部の意見を解決しないので)
  • 妥協のアプローチ:
    • 問題点の明確化
    • 当事者間の主張の評価
    • 解決策の合意
    • アクション後のフォローと評価

鎮静/適用

最上位のゴールに達することが、意見の不一致よりも優先される事が、当事者の共通認識であることが大前提。プロジェクト内の”調和”を維持しつつ、当事者間の良い関係性も継続させる。

要は、今以上の対立や紛争の激化や拡大を防ぐ為に、当事者の冷静さを保ちつつコンフリクトを収拾して、建設的な対話や解決策の検討のための環境を作り出すアプローチ。

とりあえず、出された主義・主張は一旦受け入れて、まずは場を沈静化させて元々のパフォーマンスに復帰しましょう!って話です。

それが出来たら、苦労はしねーよ!ってことなんですが…

  • 鎮静/適用の特徴
    • 冷静なアプローチ
    • コミニュケーションの再確立
    • エスカレーションの防止
  • 鎮静/適用のアプローチ
    • 冷静さの維持
    • アクションの一時停止
    • 質問とリスニング
    • 共感と理解を伝える
    • 解決策の模索
    • 再開

強制

協力や問題解決に十分な時間が確保出来ないほどに切迫している時に取るアプローチ。コンフリクトしている意見の一方を強制的に取り入れて、強引でも推し進める!といった強いメンタルが必要。

基本的に、プロジェクトが破綻するリスクが多分にあるので、本当に最後の最後の最終奥義って感じ。

要は、”割り切り”です。 プロジェクトが終わった後、メンバーからPMが「総スカン」「最悪なPMだった」てな事を食らうのも辞さず!ってメンタルが超重要です。(いつか、このプロジェクトを振り返った時に笑い話になればいいな…って思える程度に)

  • 強制の特徴
    • 圧力や制裁の使用
    • 本当の最終手段として使用
  • 使用時の注意点
    • 関係の悪化は必至と覚悟スべし!
    • 信頼は地に落ちる事も覚悟スべし!
    • 法的なリスクが発生する可能性も覚悟スべし!

稀に、”Going My Way” なPM(って呼べるのかな?)が、半ば”強制”的なアプローチを連発している事を見かけますが… 案の定、大抵の人が途中でリーダーを降格させられてますね。w

そもそも、”強制”は使用しない事が一番。自分も明確な ”強制” を発動したのは10年のPM歴の中で1度だけです。それも、トラブルメーカーの様なメンバーに対して、色々なアプローチを試みても一向に改善しなかった為、止むにやまれ”退場”を宣言した時ですかね。

その場合は、周囲の理解・賛同も多く得られたので、結果的に良かったですが… 強制とはそれぐらいのレベルの話だと思います。

撤退/回避

双方に得られるメリットがない場面で使用。

コンフリクトしている当事者が、感情を抑えるためにその状況から一旦離れて、より建設的な対話や解決策が話し合えるまで、問題は棚上げしておいて…ってことかな。

  • 撤退の特徴:
    • 感情の冷静化
    • 対話の一時停止
    • 時間と空間の確保
  • 撤退のアプローチ:
    • 意思決定
    • 一時的な離脱
    • 目標の確認
    • 再対話の準備

一旦問題は置いておいて、落ち着きましょうよ!って感じかな。

荒れ狂ってる時に、話をしても無駄になるので、当事者が不満に思っていてもその場から一旦離して、冷静になった所で改めて話し合いましょうってことですね。

でも、これを採用したケースって、そのままプロジェクトが集結するまで”棚上げ”にしたままって事がよくあるんだけどね…

まとめ

今回は、コンフリクト・マネジメントについて若干の経験談も交えながら解説してみました。

プロジェクトに限らず、仕事をしていたらどうしても意見の対立ってのは発生してしまうので、PMの立場で無かろうとも、PMBOKの分類やアプローチを思い出して、冷静に分析してみて解決策を模索しても良いかと思う。

おしまい。

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