転職リベンジ – PMP編(第7版) – その8 プロジェクト・チーム形成の定義や理論ついて解説!

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今回の投稿は、プロジェクトチームを形成するシーン問題でよく登場する各定義や理論について解説する。

試験でよく出る定義の一覧

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PMPの試験問題で、プロジェクト・チーム形成や関連するステークホルダーとの関係構築に置いて、必ずと言っていいほど出題される各定義や理論は以下の通り

  • マズローの定義
  • マクレランドの成就動機
  • パーズバーグのツーウェイ理論
  • タックマンのグループ開発モデル

この辺りの定義と、活用方法などに関してPMPの試験問題ではよく見かける。なので、各定義・理論を抑えておくことで、PMPのシーン問題は、比較的サービス問題にできる。

マズローの”自己実現理論”(5大欲求)

心理学者の”アブラハム・マズロー”が提唱した「欲求階層理論」のこと。
人間の欲求やNeedsが階層的に配置され、下位の欲求が満たされないと上位の欲求が現れないという考え方。

wikipedia 自己実現論からの参照

階層化された欲求は以下の通り。

  1. 生理的欲求(Physiological)
    食事・睡眠・温度調整など、生存に必須になる基本的な欲求
  2. 安全欲求(Safety)
    身体的・仕事の安定性・健康保険など、安全と安定に関する欲求
  3. 社会的・所属的欲求(Love/Belongingness)
    友情・愛情・所属感・家族などの関係性など自分以外との社会的繋がりに関する欲求
  4. 自尊心欲求(Esteem)
    自尊心・自己評価・承認・成功など、自己価値観や認知に関する欲求
  5. 自己実現欲求(Self-actualization)
    個人的な成長・創造性・自己実現・ポテンシャルの最大限の発揮など、個人の成長と達成に関する欲求

マクレランドの”成就動機”(要求理論)

こちらもPMPの試験で度々目にする「マクレランドの成就動機」(要求理論)

この理論を簡単に説明すると、「人々は”成就(達成)ニーズ” ・”権力ニーズ”・”所属(親和)ニーズ”によって動かされる」という事。また、「各欲求の相対的な強さは個人でことなり、個人の経緯・経験によって決まる」というもの。

この理論の3つの主要要素は以下の通り

  • 成就(達成)ニーズ(Need for Achievement)
    個人が成果を追求する欲求で、成就ニーズが高い人は挑戦的な目標を設定し、成功を求める欲求に対して動機付けされる。この動機は個人が挑戦的な目標を設定し、達成することで喜びや満足感を感じる傾向がある。
  • 権力ニーズ(Need for Power)
    個人が他人をコントロールし、影響を持つ事に対する欲求。権力ニーズが高い人は、リーダーシップや影響力を追求する傾向がある。
  • 所属(親和)ニーズ(Need for Affiliation)
    個人が他人との関係性や所属感に関しを持つ欲求。他の人と親密な繋がりや社会的な関係を重視する。

ハーズバーグの”ツーウェイ理論”

仕事に関する要因が、モチベーションを向上させる要因と満足度を向上させる要因に分けられるという考え方。参考書によっては、「動機づけ要因」と「衛生要因」って解説されているものもあるが、同じ意味。

各要因については、以下の通り。

  • モチベーション要因(動機づけ要因)
    仕事に関する要因のうち、個人のモチベーションと満足度を向上させる要因で、これらの要因が仕事内で存在すると、仕事に対する満足度が上がり、モチベーションが向上する。
    要素:達成感、認知、責任感、創造性、成長
  • ハイジーン要因(衛生要因)
    この要因あ不足すると、個人は不満や不快感を感じてしまう。ただし、これらを解決出来たとしてもモチベーションには直結しない。
    要素:給与、労働条件、監督、人間関係、職場制作

タックマンの”グループ開発モデル”(タックマン ラダー)

プロジェクト(グループ・チーム)を形成する際に、その成長過程を大きく「5段階」に分けることで、グループ/チームの成熟度を定義した。

各段階は、以下の通り。

  1. 成立期(形成期)
    初期段階。メンバーが集まり、目標や役割が不明確で相互に緊張感を感じており、互いの信頼度も低い状態。PMとしては、明確な指示型のリーダーシップが求められる。
  2. 動乱期(適用期)
    メンバー間で異なるアイデア・意見が出始め、意見の衝突や対立がしばしば起こる。PMはメンバーの心の安定を図る為の施策を考える必要がある(Ex:食事会、レクレーションとか)
  3. 安定期(規範化)
    メンバーがお互いを理解し始め、グループとして機能し始めプロジェクトとしても生産性が徐々に高まってくる時期
  4. 遂行期(実行期)
    メンバー同士が協働することで、より多くの成果が生み出され、高品質なプロダクトを生み出す最も生産的な時期。この段階までくれば、PMは自身の権限を徐々にメンバーに以上し、より生産性が高い状態へとプロジェクトを昇華させる事ができる。
  5. 解散期
    プロジェクトが達成すべき目標が徐々に終わりを迎えることに気が付き、メンバーは別れを惜しむことから、生産性が低下する場合がある。PMは、最後の一押しでチームの作業完了へと導く。

例題

プロジェクト・メンバーへの動機づけについて、以下の要素からなる理論を答えよ。
「達成」「権力」「親和」


1) タックマン
2) ハーズバーグ
3) マクレランド
4) ダニエル・ピンク

「成果(達成)」、「権力」、「親和」の3つの欲求要素から成り立っている理論は、マクレランドの「成就動機」(欲求理論)となるため、正解は「3) マクレランド」となる。

まとめ

プロジェクトに関して、メンバーの高いモチベーションを維持することで、プロジェクト全体の生産性を向上・確保していく為には、先人が定義した理論に照らし合わせ、PMとして必要なるアプローチを考えておく事が求められる。

PMBOKに記載されている様な理論も、「杓子定規」で現場ではそのまま使えない事が多く感じるが、このモチベーションに関する理論はPMをしていると本当に実感させられる理論ばかり。

今回記載した理論以外にも、「ダニエル・ピンク」の”動機づけの内発的要因”だったり、「ダグラス・マクレガー」の”X/Y/Z理論”は、抑えておいて損はない。

試験勉強として覚えるだけでなく、知っておくとプロジェクトの立ち上げ期などは、特に良いと思う。

おしまい。

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